みなさま、こんにちは。管理栄養士の岡田です。
みなさまは、毎日の食生活も、睡眠の質の良し悪しに関わっていることをご存知ですか?
今回は、睡眠の質を良くするための食生活のポイントをご紹介します。

<就寝時の満腹を避ける>

太ることを防ぐために、「食事は就寝3時間前までには済ませましょう」と、聞いたことはありませんか?
実は、睡眠の質を良くするためにも、寝る2~3時間前までに食事をすませておくことは大切なのです。
毎日同じ時間に寝る習慣をつけていると、その1~2時間前には、睡眠に深く関わっている「メラトニン」というホルモンの分泌が最も多くなります。
この時に満腹であると、その分泌に支障をきたしてしまいます。
また、食べたものを消化しきれない内に眠ると、体は消化することを優先するため、脳や体は覚醒した状態となり休めません。

<就寝時の空腹を避ける>

空腹時には、血糖値が低くなっています。血糖値を上げるために分泌されるホルモンの1つ「アドレナリン」は、興奮作用があるので、眠りにくくなります。

<就寝直前にカフェインを摂取しない>

カフェインは私達の睡眠と関わりがあります。カフェインには、興奮作用があるため、眠りにくくなるのです。
敏感な方は、眠る5~6時間前から控えると良いと言われています。
カフェインというと、コーヒーや紅茶などが知られていますが、ココアやチョコレートの原料であるカカオ、栄養ドリンクにも含まれていますので注意しましょう。

<就寝直前のアルコールを控える>

就寝前にお酒を飲むと、寝付きが良くなるという方もいらっしゃるかもしれません。しかし、睡眠中にアルコールが分解され、血液中のアルコール濃度が低くなると睡眠が不十分でも覚醒してしまいます。また、アルコールには利尿作用があるので夜中に尿意で起きることにもつながります。

<インスタント食品を控える>

インスタント食品、スナック菓子などに含まれる「リン酸塩」は、精神安定に関わる亜鉛の吸収を妨げ、カルシウムの排泄を促進する働きがあります。それにより、精神不安定、イライラなど、精神的なトラブルが生じ、寝付きが悪くなることがあります。

<偏食をせず、いろいろな食材を食べる>

睡眠に良いとされる栄養素を含むものだけを食べても、その効果を活かせないことがあります。その効果を活かすためには、他の栄養素のサポートが必要になるのです。何でもまんべんなく食べると栄養素同士がサポートし合って、それぞれの効果を発揮しやすくなります。

朝食時におすすめ「トリプトファン、ビタミンB6を含む食材を使った料理」

トリプトファンとは、ヒトの体内では合成することができないアミノ酸(必須アミノ酸)の1つで、眠りに深く関わる「メラトニン」というホルモンの原料です。トリプトファンからメラトニンが作られるのには、起床後14~16時間かかるとされています。
1日の食事の内、朝食時にトリプトファンを摂取するのが、最も良いタイミングです。

また、トリプトファンからメラトニンが作られる過程で、セロトニンというホルモンが合成されるのですが、それにはビタミンB6が必要です。ビタミンB6が不足すると、結果的にメラトニンが作られなくなってしまいます。

【トリプトファンを多く含む食材】
たんぱく質食品(肉、魚、卵、大豆、牛乳など)、ナッツ類、バナナなど

【ビタミンB6を多く含む料理】
鶏肉、バナナ、ナッツ類、ドライプルーンなど

【朝食におすすめ料理例】
チキンオムレツ、野菜のピーナッツ和え、バナナヨーグルトなど

夕食時におすすめ「たんぱく質中心で消化が良く、体の深部体温を上げる料理」

脂質は、消化されるのに時間がかかり、糖質の摂り過ぎは、血糖値の急な上昇や降下を起こしやすくしたり、疲労回復に関わる成長ホルモンが睡眠中に分泌されるのを妨げるなど、睡眠や疲労回復に悪影響が出ます。

また、就寝3時間前に食事を済ませても、消化されにくい食材は、就寝時にも残ってしまい、良い睡眠の妨げとなります。
そして、体の深部体温が下がると眠くなるので、夕食時に深部体温を上げると、就寝時間の頃に向かって下がることになり寝付きが良くなります。

【たんぱく質を多く含む食材】
魚、卵、大豆、牛乳など

【消化されにくい食材】
脂質の多いもの、肉類、食物繊維の多い野菜など

【体の深部体温を上げる食材】
たんぱく質食品、体を温める作用のある食材(生姜、唐辛子など)、温かいものなど

【夕食におすすめ料理例】
ぶり大根、温奴、生姜入り味噌汁など

 

お仕事などの都合で、就寝2~3時間前までに食事を終えられないこともあるかと思います。そんなときには、夕方におにぎりのような軽食を取り、帰宅後の食事は、消化の良いもの選んで控えめにしましょう。また、就寝時に空腹になってしまったら、ホットミルクを飲むと空腹が満たされ、トリプトファンも摂ることができます。